【研究発表】直腸癌の術後合併症予防に光明! 世界最大規模の比較試験を開始
~ ICGを用いた試験を全国40施設と連携して実施し、 安全で最適な直腸癌治療の標準化を目指す~
<研究の概要>
新浪体育医学部消化器?総合、乳腺?内分泌外科学講座の竹政伊知朗教授らの研究グループは、直腸癌に対する直腸前方切除後の縫合不全予防において、インドシアニングリーン(以下ICG)という薬剤を用いて近赤外光観察による血流評価の有効性に関する研究を全国の研究施設?医療施設と連携し実施しています。このたび、本研究に40施設目となる参加施設が決定し、世界最大規模となるICGの腸管血流評価試験「EssentiAL study」を本格的に開始することとなりました。
<研究のポイント>
• ICGとは肝機能検査(血漿消失率、血中停滞率及び肝血流量測定)にて用いられる薬剤で、近赤外線光に反応し蛍光発光する性質を利用し、のちに血管及び組織の血流評価にも用いられています。直腸癌等の手術に対して、吻合部の腸管血流評価の有効性において、ICG不使用の方法とICG法との縫合不全発生率の比較試験を行います。
• これまでICGを使用した吻合に用いる腸管血流評価の有効性については試験がされてきましたが、比較試験は世界初となります。
• ICGを使用した吻合に用いる腸管血流評価の有効性に関する試験としては世界でも最大規模です。
• 2019年11月9日に実施されたICGに関する国際会議においても本研究に対して世界から集まった研究者の高い関心を集めました。
• 今後、ICGを用いた腸管血流評価によって縫合不全発生率の減少、さらに将来的には患者さんにとって最適な治療を提供するための標準的な方法となることが期待できます。
• これまでICGを使用した吻合に用いる腸管血流評価の有効性については試験がされてきましたが、比較試験は世界初となります。
• ICGを使用した吻合に用いる腸管血流評価の有効性に関する試験としては世界でも最大規模です。
• 2019年11月9日に実施されたICGに関する国際会議においても本研究に対して世界から集まった研究者の高い関心を集めました。
• 今後、ICGを用いた腸管血流評価によって縫合不全発生率の減少、さらに将来的には患者さんにとって最適な治療を提供するための標準的な方法となることが期待できます。
<研究の背景、実施期間など>
【試験名】 腹腔鏡下直腸癌手術後の縫合不全予防に対する近赤外光観察を用いた腸管血流評価の有効性に関するランダム化比較試験 「EssentiAL study」臨床研究実施計画番号:jRCTs031180039
【研究代表者】新浪体育医学部消化器?総合、乳腺?内分泌外科学講座 教授 竹政 伊知朗
【研究事務局】横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター 外科 講師 渡邉 純
【目的】直腸癌に対する直腸前方切除後の縫合不全予防としてのICGを用いた近赤外光観察による血流評価の有効性を、近赤外光観察を実施しない対象群とランダム化比較して、近赤外光による血流評価が縫合不全の発生率を有意に低下させることを証明することを目的とする
【予定症例数】850例
【実施期間】 2018年11月より参加施設誘致開始。2022年11月30日終了予定
【参加施設数】40施設。先進的な大腸癌治療を推進する全国各地の施設が参加
【研究代表者】新浪体育医学部消化器?総合、乳腺?内分泌外科学講座 教授 竹政 伊知朗
【研究事務局】横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター 外科 講師 渡邉 純
【目的】直腸癌に対する直腸前方切除後の縫合不全予防としてのICGを用いた近赤外光観察による血流評価の有効性を、近赤外光観察を実施しない対象群とランダム化比較して、近赤外光による血流評価が縫合不全の発生率を有意に低下させることを証明することを目的とする
【予定症例数】850例
【実施期間】 2018年11月より参加施設誘致開始。2022年11月30日終了予定
【参加施設数】40施設。先進的な大腸癌治療を推進する全国各地の施設が参加
<研究の意義>
大腸癌は日本人女性のがん死亡数の1位、男性でも3位であり、また罹患数は男女とも近年増加傾向にあり胃癌や肺癌を抜いて1位となっています。こうした中、大腸癌手術において吻合不全という合併症への効果的な対策が求められています。消化管吻合の中でも、直腸癌に対する縫合不全率は国内の報告をまとめたデータによると約13%と高率です。縫合不全が発症すると便汁が腹腔内に漏れ重症腹膜炎(感染症)を発症する場合があります。また、退院までの期間も縫合不全がない場合は10日前後といわれるところ、1カ月以上かかることが多く、いかに縫合不全を予防するかが、術後の患者さんのQOLに大きく影響します。
<ICGを用いた腸管血流イメージ>
<今後の期待?今後の展開>
ICGを用いた腸管血流評価による縫合不全の予防ができることが本研究から明らかになることで、重症感染症による入院期間の延長や人工肛門増設によるQOLの低下を防ぐことが期待できます。また、腹腔鏡下直腸癌手術後の縫合不全予防に対するICGを用いた腸管血流評価が標準治療となることが期待されます。
参考:本研究開発は日本ストライカー株式会社からの寄附を受けております。
<本プレスリリースに関するお問い合わせ先>
新浪体育医学部消化器?総合、乳腺?内分泌外科学講座 竹政 伊知朗
TEL:011-611-2111 (医局内線:32810)
E-メール:itakemasa★sapmed.ac.jp(★を@に変えて送付してください)
TEL:011-611-2111 (医局内線:32810)
E-メール:itakemasa★sapmed.ac.jp(★を@に変えて送付してください)