はじめに
今年の流行語大賞は「ふてほど」だそうです??。大谷選手の活躍からすれば当然「50-50」だろう、という大方の予想を裏切っての受賞です。
にしても、「ふてほど」っていう言葉、流行ってましたっけね???最近の流行語大賞って、候補作品も含めて「流行語」というより、単に「話題になった言葉」ですよね。そういう意味では、現時点で選ぶとすれば、「またトラ」か「103万円の壁」ってところでしょうか??。
「理事長?学長室から2024」No.33をお届けします。
1.ニプロ東京工場(CPF)を訪問しました
11月7日、東京都羽村市にあるニプロ株式会社の細胞調製工場CPF(cell processing facility)を、本学神経再生医療学部門の本望修教授とともに訪問しました。ニプロ東京CPFは、2020年5月に竣工、2023年4月より稼働しており、骨髄間葉系幹細胞製剤(ステミラック注)の製造を主要な事業としています(写真1)。
ステミラック注は、2018年に厚生労働省から条件?期限付き製造?販売承認を得て、本学において世界初の脊髄再生の実臨床を開始しました。これまでに約150例の脊髄損傷症例に対して投与を実施し、良好な治療成績を上げています。当初は、札幌市のCPFのみで細胞製造を行っていましたが、東京CPFの稼働により、さらに多くの症例に、そして全国のより広い地域の協力施設においてステミラック投与を行うことが可能となりました。東京CPFでは、年間最大約2,500人分のステミラック注を製造することが可能です。
今回、東京CPFを実際に見学させていただき、そのスケールの大きさと、最新鋭かつ高度に精緻化した細胞培養?調整設備に感銘を受けました。本望教授も、「これこそ理想的なCPFだ!」と激賞されていました。
施設見学に続いて、CPF内の会場において講演をさせていただきました。ニプロ社員を中心に、現地参加100名、Web参加102名という大変多くの皆様に熱心に聴いていただき、多くの鋭い質問に嬉しい悲鳴を上げるほどでした。引き続き、本望教授と東京理科大学客員教授の磯部総一郎先生(元厚生労働省医療機器審査管理課長)により、再生治療をとりまく社会?行政の最新動向に関する解説?提言をいただきました。若いニプロ社員の皆さんのモチベーションの高さと意気込みを肌で感じ、こちらも元気をいただいたような気がします(写真2-4)。
来るべきステミラック注の本承認申請に向けて、これからも本学とニプロ株式会社がしっかりと連携?協力していくことが重要だと感じています。
2.塚本泰司前理事長?学長が瑞宝中綬章を受章されました
新浪体育6年度秋の叙勲において、本学前理事長?学長の塚本泰司先生が、瑞宝中綬章を受章されました。長年にわたる本学における教育?研究へのご貢献、そしてわが国の医療?医学の発展に対するご功績が国によって高く評価されたものであり、本学としても大変名誉なことであります。11月26日には、皇居にて天皇陛下より勲章の授与が行われ、28日に本学にご報告に来られました(写真5,6,7)。
塚本先生のこの度の叙勲を心よりお祝い申し上げ、今後ますますのご健勝をお祈りするとともに、本学に対する一層のご指導?ご鞭撻をお願い申し上げます。
おわりに
2024年も残り1か月を切りました。国内、国外ともに情勢がきわめて不安定ですが、2025年には全てが好転することを祈りたいです。
本学にとっても来年は、創基80周年(開学75周年)や第4期中期計画開始など一つの節目となる年になります。引き続き皆様のご協力をお願いいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください。