山下真祐子 さん(実習年度:平成27年)
実習で研修医に近いことを体験
山下真祐子 さん(製鉄記念室蘭病院 産婦人科)
地域包括型診療参加臨床実習を選択した理由は?
実習先での1日のスケジュール
基本的には午前中に病棟の処置と回診に同行し、その後、手術や検査、分娩、外来見学などがありました。処置時、経産婦さんの場合には指導医指導のもとに膣鏡診や経腟エコーも経験しました。
手術が立て続けに入っている日は、帝王切開数件や帝王切開と子宮+両側付属器切除、子宮+両側付属器切除+リンパ節郭清で数件という日もありました。この場合は、朝から夕方まで手術室に入り浸ります。手術は、鈎引きや閉腹時の助手など色々と手伝わせていただきました。
印象深い日を挙げるならば、分娩をじっくり見学した日です。陣痛の始まっている妊婦さんのところに何度か赴き、分娩、産褥まで見学しました。このとき助産師さんと共に内診させてもらい、子宮口の開大などを実際に触って理解することができました。さらに、全開大時の羊膜が見えている状態と破水後すぐの状態も内診させて頂き、違いを実際に触れて覚えることができました。その日はさらに、夕方に入院中の妊婦さんの腹部エコーをじっくりさせて頂き、その後、他の病院で行われた妊娠糖尿病の勉強会に同行させて頂きました。じっくりと産科を学び、もっと勉強したいなと強い興味をひかれた印象的な一日でした。
実習を通して得たもの、学んだことについて
私が産婦人科を将来の専門として考えていることを先生方が理解してくださっていることもあり、ほぼ研修医に近いことを1ヵ月間実習させて頂きました。手術もほとんど参加したことで、帝王切開や子宮全摘術の流れがなんとなくわかるようになり、手術で使用する機械を覚え、術前や術後の流れを覚えて手伝うなどができました。また分娩を何回も見学して経腟分娩の流れを理解することができ、立ち会う医師の役割も以前よりもずっと理解することができました。何回も立ち会うことで助産師さんとも顔馴染みになり、分娩初期や産褥期に指導医指導のもとに内診をさせて頂くこともできました。このような踏み込んだ実習は数日間実習に行く場合は難しいと思うので、この地域包括型診療参加臨床実習ならではのことだと思います。また、途中から膣鏡を一つ拝借して時間がある際に練習し、膣鏡診や経腟エコー、腹部エコーも何度も実施させて頂きました。産婦人科は机上で勉強していても具体的なイメージがなかなかわかない分野なので、実践を通して得られた知識はとても大きいと感じています。
さらに医師がどのような動き方をしているのかを肌で感じることができたことが非常に大きな収穫だったと思います。研修医になる時にこの感覚を持って臨めるのは、とても大きなアドバンテージではないかと感じました。後輩へのメッセージ
実習へ行くまでは、6年生の今、進路に悩み目前の勉強に焦ることもあるため、1ヵ月も札幌にいないことはどうなのだろうかと考えていました。しかし、学生のうちに1ヵ月間、1病院の1診療科で過ごすことは貴重な体験です。将来専門にしたいと考える診療科であれば尚更だと思います。先生方がどのように進路を決めたのかなど時間をかけて話を伺い、自分の悩みや不安も少しずつ話して、アドバイス頂く事もできます。研修医になった時の自分を想像することもできます。さらにその先を想像し将来を考えていく一助になると思います。私個人としては、研修医の先生方の様子を見て、上級医の先生の話を聞いていくうちに、研修病院を決定する上での考え方をより明確で具体的なものにすることができました。得るものは非常に多いので、是非チャレンジしてもらいたいと思います。
最終更新日:2015年10月04日